雪割りの総論と道具
このページの要点
- 雪割りは、やる理由がある時だけ行う
- 主な道具はツルハシと雪割り棒
- 滑り止め目的なら、表面の抵抗を大きくすればすむことも
名称の謎
雪割りなのか、氷割りなのか、それが問題だ。の?
かの劇作家は本当はそう言ってました。今はもう、特に証拠はありませんが、確かにそう言っていました。
唯一、砂に書き残した真実は、21秒後に波がなかったことにしていった。の?
これ、何なの?
では円滑に本題へ。
雪割りの必要性
実はやらなくて済むのなら、さほどお勧めしません。大変だから。道具いるから。腰を痛めるかもしれないから。
雪割りには大きく2種類あります。一つはシーズン中に雪が固まり高くなって通行に支障をきたすので、やむを得ず行うもの。もう一つはシーズン終わりに春をさわやかに感じながら行うもの。
一般的には後者のみを指しますが、前者も雪割りの要素があります。私としては、ツルハシを使えば、それもう雪割りだと思います。大根を使えばそれはもう和食、と同じ原理です。世界の消費の9割は日本なんで。
普通、前者は剣先のスコップでやりますが、ツルハシを使っちゃった方が早い場合があります。ということでカウントしました。恐らく名前はないように思いますが、名前をつけるなら雪削りですかね。ここでは後者のオーソドックスな雪割りについて言及します。
やる必要があるのは、
- 割らないと滑るから
- 早く割って場所を空けたいから
- スコーンといけたら気持ち良いから
- 冬に終わりを告げるから
まあ、このあたりでしょうか。3月になれば、日中、水っぽく溶けますが、その分、夜は滑らかに凍るのでかえってタチが悪い。といっても3、4は意外に大事にしたいですよね。スコスコ割れだすとちょっと雄たけびをあげたくもなるくらいで。
フォォォォぉぉー。
雪割りの道具
〇 ツルハシ
△ 剣先のスコップ
? 雪割り棒
? ハンマー
実は雪割り棒を使ったことがありません。お使いの方はどんなものか、お知らせくださるとありがたいです。剣先はこの用途ではちょっと弱いと思います。なのに、力任せにやると下が傷つきます。つまり難しいです。ということでベースはツルハシです。ツルハシが重いという方は雪割り棒になります。振り上げないので楽だと思います。雪割り棒は先端が3種類くらいあります。柄も2種類はあります。本体を上下してヒットさせるものと、柄の先端を下に刺して固定しておいて、重りの部分だけ落とすもの。使ったことがないので効果はわかりませんが、後者は仕組み上、安全性は高いですよね。ハンマーは後述する、玄能ツルの代用品で使えるかもなー、という想像です。
以前、とあるテレビ番組でツルハシ絶滅説を唱えていて正直驚きました。今もホームセンターに売ってますよ。
ツルハシの型式
ツルハシはざっと2種類あります。
リョウツル:両サイドとも尖っているもの
バチツル:一方だけ5センチ程の幅の刃状になっているもの
尖ってない方が三味線のバチのような形だからだそうです。
ちなみに、我が家で使っているものは祖父のもので、50年くらいいってそうな感じです。バチ状ではなく断面はほぼ正方形で、大きめの金づちっぽいです。玄能ツルというそうです。これがなかなか使いやすいのですが、売ってるのを見たことはないです。実はこの文を書くために調べるまで、祖父のお手製なのかも、と思っていました。
断面積が大きいので、ヒットしやすく下を痛めにくい。それでいて打撃を広範囲に与えているためか、割れ方が何というかソフト。割れるポイントを的確に叩くのではなく、大体で叩けば衝撃が割れるポイントに勝手に達してくれる感じ。実にわかりにくい表現。都合よく割れてくれる気がします。そして手が変にしびれたりするのもあまりない。ほかのページで紹介する予定の叩き方もやりやすいのです。柄と打撃面が近いからでしょう。それで、断面積が5センチ四方くらいのハンマーなら、玄能ツル代わりもいけそうな気がします。ああ、この段落はきっと伝わってない。日本語、難しいです。
ツルハシの選び方
形状としては、2パターン選べるバチツルがいいです。雪割りではバチの方が主体だからです。ただ、もし簡単に手に入るなら玄能ツルがお勧めです。多分ないです。祖父母のお宅を訪ねましょう。いいことです。
「この玄能ツル、もらってもいい?」
今、言わないともう一生言わないセリフ。
もし、もしですよ。使ってるからだめだと言われたら、「何より腰が心配だし、自分にこのツルを、じいちゃんの(ばあちゃんかもしれないけど)このツルをぜひ継がせてほしい」と言いましょう。いいことです。そして、多分使ってないです。
ツルハシは何回も振り下ろすので、頭部が小さくできるだけ軽いものがいいです。重いものだと確かにパワーが出ますが、コントロールが難しい。尖っている方は、さらに狙い通りにヒットさせるのが困難です。油断すると簡単に下が傷つきます。とにかく腰を痛めないように、というのがポイントですが、柄が長すぎるのも恐らく疲れます。
それと、案外、大きさと重さでオフの置き場所を問うので、それも頭に入れて選んでみてください。宅の玄能ツルは頭部、柄ともにコンパクトです。いずれにせよ、軽いもので。
雪割りの時期
道具を入手して、日中に溶け始めたら、いよいよ割春到来です。繰り返しですが、腰のケガには最大限の注意です。やらなくて済むならやりません。日中に溶け始めたら、の目安ですが、地面と氷の間に隙間ができたら、です。割りたい部分の1/4~1/3くらいに隙間があると、心地よさ優勢でスタートできると思います。この隙間がないと、割るのにパワーとコントロールが必要で大変です。隙間を待ちましょう。
割り切らない選択
やる理由が滑るから、だとすると、表面が滑らかじゃなくなるだけでもいいわけです。小さいデコボコだと溶ける量が増えればすぐに滑らかになってしまいますが、割り切らなくても大きなデコボコならば滑りにくい。つまり表面に抵抗を作るだけ、ということです。
適期になっていれば、ツルハシで叩くと下まで貫通せずとも、ある程度の塊がボコッと取れたりします。あるいはツルの方なら軽めでも穴が空くので、大雑把な乱打で構いません。下まで割りきらなければ、だいぶ労力が少なくて済みます。
そもそも雪割り自体をせず砂をまく、などの方法で対処するのもよいです。雪割りの時期であれば、もうその上から次々と雪が積もることはあまりないと思いますので。
段差だと歩きにくい家族がいるとか、車いすを使ってる、などの事情で違いはあると思いますので、どの程度必要なのかを検討の上、ごチョイスください。
おわり