来シーズンのために調べること
このページの要点
- 溶けやすい場所の調査はシーズン終盤が適している
- 壁際を中心に、溶けやすい場所の調査をしよう
- 調査の際の主な安全対策として、スコップと携帯電話を持って
これを書いている現在は3月です。もうすでにシーズンの終盤なので、今だからやっておくべきことを記載します。
その場所の積雪量にもよりますが、「除雪した雪をどこに投げるか」は実に悩ましい問題です。
(「はじめに」の項にも記しましたように「投げる」は方言とのことですが、「捨てる」だとしっくりこないので「投げる」をもう普通に使ってます。)
投げる場所を考える時に、邪魔にならないところであることは当然なんですが、都合よく1シーズン分投げ続けられる場所がある、というのはかなりまれではないでしょうか。「もう投げるところがない」というのはよく聞く話です。
投げるところがない場合、新たに場所を作り出さなければなりません。開拓と呼んでます。その候補を見つける作業をシーズン終盤に行ってほしいのです。結論から言うと、どこなら雪が溶けやすいのか、を見つけ出すことです。
シーズン終盤にチェックする理由
シーズン終盤になると雪が溶けてきて、積雪の状況が分かりやすくなります。シーズン中盤以前だと、傾向が見えてきたと思ってもまたすぐに雪が降ります。新たに降ってしまうと、何もなかったように均等にならされてしまいます。
で、傾向が表れるまでまた時間がかかってしまい、最終的に「もう投げるところがない」になってしまうのです。それを毎年繰り返すと、投げるところがなくなる敷地にしかみえないので、最初からあきらめムードなのだと思います。
つまり積雪の間隔や絶対量の関係と溶ける傾向が進むので、シーズン終盤こそチェックのベストタイミングなのです。
着目するのは表面と内部
着目するのは表面と内部だけ。って…でしょうね。いやいや。
表面は単純に見た目で溶けやすいポイントが分かります。自然に低ければ溶けやすい場所です。ですが、自宅あるいは近隣の建物からの落雪に注目します。本来は低いけど落雪があるから高くなっているだけ、というのもあります。
落雪があるところは入ってはいけないので、低くなっていても投げる場所としては使えないのですが、そこが何で溶けやすいのかを考えるのには有効です。傾斜のある屋根の下で、継続的に落雪がある場合は高さがありますが、雪庇による落雪の場合は傾斜のある屋根ほどの頻度では落雪しないので、たまたまどっと落ちて高くなったときに見た、という可能性もあります。そこを踏まえて観察してみてください。
※雪庇(せっぴ)とは…
屋根から外に張り出して雪が積もっている部分。普通は平らか傾斜の少ない屋根にできる。傾斜がある屋根だと随時雪が落ちるので、原則的にできない。傾斜ありでも落雪防止の屋根であればできる。ただし、少し小さい気がする。実際は少しずつ落ちてるのかな。
ある程度暮せばわかりますが、雪庇ができるのは基本的に建物の東側です。といっても、自宅の西側は隣の東側。西側はセーフとは言い切れず、実際にどのように雪庇ができているかを見る必要はあります。ちなみに東側にできる理由はわかりません。冬は北西の風で吹きだまるだからでしょうか。いずれ調べたいと思います。
表面のチェック
まず溶けやすいのは、日当たりが良いところです。当たり前なのですが、特に正午前後によく日が当たるところです。朝方よく当たっても溶けにくいです。ただし、複合的な理由が重なるので、単にそれだけで判断はできません。近隣との兼ね合いで、例えば風がさえぎられてたりして空気が温まっているのかな、ということもあります。排気口の関係なんかもあるかもしれませんね。
内部のチェック
一見、高く積もっていても密度がスカスカ、ということがあるので、それを調べます。方法は「足を踏み入れる」のが手っ取り早いです。決め手は埋まり具合です。実にアカデミックですね。足を入れるときは、特にシーズン終盤ならそーっとやってください。強度の問題で、一気にひざ位まで行ってしまうときがあります。弱そうな感触が伝われば、もうそれで結構です。くれぐれもけがのないようにお願いします。
溶けやすいのは壁際
日当たり以上に壁際の方が影響は大きいと思います。家の壁は明らかですが、車庫や物置、ブロック塀の際なども溶けやすいです。物質と接しているということはそういうことなんでしょうか。ちょっとしたプランターのような小物や、樹木の周りなんかも割と溶けているようです。積もるときに締まらないのかもしれません。うっかり近くを通ったときに埋まってしまう可能性があるので、気をつけましょう。片づけずに放置したプランターの上側が溶けていて、上を通った時に一気に足が埋まったことがあります。下のプランターの縁を踏んで捻挫しかけました。理由はわかりませんが、他の部分より雪が緩くなっていました。
ただし、壁際は必ず上を見て落雪の有無に注意してください。我が家では溶けやすいところがあるのですが、いずれ雪庇ができるため、影も形もないシーズン序盤にしか使えません。
踏み固められてない場所には注意
ここの項は調査だけですが、溶けやすい個所は踏みつければ空間ができるので、投げる場所の開拓ができます。それと共通しているので、注意を促したいです。
普段、通路以外の固まっていない雪の上に入る時は、必ずスコップを持って行ってください。想像以上に深く足が埋まった場合、本当に動けなくなる場合があります。スコップは雪を掘る目的もありますが、まずは脱出するための手すり代わりと考えています。スコップは刺して使う方法もありますが、おすすめは雪面と並行にして(横にして)スコップを置き、それに覆いかぶさって体重を預けながら足を抜く方法です。刺した上に体重をかけるとスコップ自体がどんどん埋まったりします。あと、片足が深く埋まっている状態だと、都合よくスコップを操れないものです。そして足にぶつけずに足回りを掘るのも案外難しい。
その他、念のため携帯電話を持っていた方がよいです。インスタ用に1枚くらい埋まった写真も欲しいところですが、もしもの時は助けを呼びましょう。自宅で埋まったときかなり苦戦しました。手持ちのものが何もなければ、いったん脱ぐようにして長靴を雪中に置いてくれば、足を抜くことはできると思います。これにすぐ気づけばよかったのですが、さながら自宅での遭難はこうして脱出しました。
上記のプランターの件は「ちゃんと片付ければ?」で終わるんですが、片づけられないものもあるので、ここに何があったかな、と思い出してみてください。たとえば、物干し竿の台、仕切り石や小さな柵、ちょっとした段差なんかでも影響はあるようです。ちなみに物にもよるでしょうけど、冬1シーズン、外に放置するとプランターはなかなかに痛みます。
まとめに
実際に足で踏んでみて、内部が溶けやすい場所はシーズン中の開拓候補としてチェックしておきましょう。そしてその部分を使えるように、来季雪の降る前に物を整理したり、思い切って敷地の模様替えなんかも考えてみましょう。「もう投げるところがない」から脱却できるかもしれませんよ。
おわり